LINE公式アカウントは、企業やブランドが顧客と直接コミュニケーションを取れる便利なツールです。しかし、その手軽さゆえに、悪意のある第三者による乗っ取りの標的になりやすい側面も持ち合わせています。
LINE公式アカウントは、多くのユーザーが利用しているプラットフォームであるため、ハッカーにとっては格好の攻撃対象となります。彼らは、巧妙な手口を用いてアカウント情報を盗み出し、不正にログインしようとするのです。
そこで今回は、LINE公式アカウントの乗っ取り対策について、ご紹介していきます。
特にLINE公式を運用している個人事業や企業担当者さまに読んでいただけたら幸いです。
目次
1. 巧妙化する乗っ取りの手口と事例紹介
近年、LINE公式アカウントの乗っ取りの手口はますます巧妙化しており、従来のパスワード漏洩による不正ログインだけでなく、フィッシング詐欺やマルウェア感染など、様々な手法が利用されています。
例えば、フィッシング詐欺では、LINEを装った偽のメールやメッセージが送信され、ユーザーに個人情報を入力させようとするケースがあります。
また、マルウェア感染では、悪意のあるプログラムがパソコンやスマートフォンに侵入し、アカウント情報を盗み出すことがあります。
2. LINE公式アカウントの特性とセキュリティリスク
LINE公式アカウントは、個人アカウントと比べて多くの機能が備わっており、ビジネス用途に特化している点が特徴です。しかし、この多機能性が、セキュリティリスクを高める要因にもなっています。
例えば、LINE公式アカウントでは、大量の顧客情報や取引履歴を管理することができるため、これらの情報が漏洩した場合、企業にとって大きな損失となる可能性があります。
また、LINE公式アカウントは、顧客とのコミュニケーションの場であるため、不正に利用されると、企業のイメージを大きく損なう恐れもあります。
LINEヤフー公式より先日、LINE公式アカウントの乗っ取りについて発表がありました。
→LINE公式アカウントにおけるアカウント乗っ取りに関するお知らせとお願い
このお知らせからもわかるように、乗っ取り被害は起きています。
3. 乗っ取り被害が及ぼす深刻な影響
LINE公式アカウントが乗っ取られると、企業は様々な深刻な影響を受ける可能性があります。
3-1. 企業イメージの失墜と顧客からの信頼喪失
乗っ取り被害によって、企業の公式アカウントから不当なメッセージが送信されたり、誤った情報が拡散されたりする場合があります。このような事態は、企業のイメージを大きく損なうだけでなく、顧客からの信頼を失うことにつながります。
3-2. 顧客情報漏洩による賠償
LINE公式アカウントには、顧客の個人情報が多数登録されている場合があります。これらの情報が漏洩した場合、企業は賠償をしなければいけないケースも考えられます。
3-3. ビジネス活動への支障と機会損失
LINE公式アカウントは、多くの企業にとって重要なマーケティングツールです。乗っ取り被害によって、このツールが利用できなくなると、顧客とのコミュニケーションが途絶え、ビジネス活動に大きな支障をきたす可能性があります。
また、新商品の告知やキャンペーンの実施など、様々な機会を損失してしまうことやブロックユーザーの増加などがあります。
4. LINE公式アカウント乗っ取りを防ぐために必要な7つの対策
LINE公式アカウントの乗っ取りを防ぐためには、以下の対策を講じることが重要です。
4-1. 強固なパスワード設定
パスワードは、アカウントを守るための最も基本的なセキュリティ対策です。しかし、多くのユーザーが、簡単に見破られてしまうような弱いパスワードを設定しているのが現状です。
強固なパスワードを作成する際には、以下の点に注意しましょう。
- 文字の種類: 大文字、小文字、数字、記号を組み合わせる
- 長さ: 8文字以上にする
- 複雑さ: 辞書に載っている単語や、誕生日、郵便番号、番地、電話番号など、推測されやすい情報は使用しない
- ユニークさ: 複数のサービスで同じパスワードを使用しない
複数サービスで異なるパスワードを設定すると覚えておくことが困難な場合があります。
また、パスワードをパソコンやブラウザに保存していた場合、マルウェア感染が起こると漏洩のリスクがあります。
そこで、アナログ的になってしまいますが、暗記カードなどに書き留めておくなどの方法がおすすめです。
4-2. 二段階認証の導入
二段階認証とは、パスワードに加えて、スマートフォンに送られてくる認証コードを入力することで、アカウントへのログインを許可する仕組みです。この機能を導入することで、たとえパスワードが漏洩した場合でも、不正なログインを防ぐことができます。
LINEには、
- 個人用LINEで二段階認証
- LINE公式アカウントのログイン画面で二段階認証
この2つの設定があり、アプリとWeb版の両方で設定をおこなう必要があります。
これによって個人用LINEとパソコンからログインの両方から不正ログインを試みる動きが起きても防げるようになります。
個人用LINEの二段階認証設定方法は、
- LINEアプリを開く
- 設定
- アカウント
- Webログインの2要素認証を有効
LINE公式アカウントのログイン画面で二段階認証設定は、
- パソコンでLINE公式アカウントにログイン
- 右上の管理者プロフィールをクリック
- 設定
- 2段階認証をオン
さらに、電話番号認証も有効にすることでセキュリティ強化につながります。(以下画像)
二段階認証の設定を有効にして、第三者からの不正ログインを防ぎましょう。
2024.08.30更新:LINE公式アカウントより、初期設定の段階より二段階認証がONとなることが発表されました。
(https://www.lycbiz.com/jp/news/line-official-account/20240829/)
関連サイトURL:LINE公式アカウントのログインマニュアル
4-3. 不審なメールやURLへの警戒
フィッシング詐欺では、LINEを装った偽のメールやメッセージが送信されることがあります。これらのメールやメッセージには、偽のログインページへのリンクが記載されていることが多く、ユーザーに個人情報を入力させようとする目的があります。
不審なメールやメッセージが届いた場合は、以下の点に注意しましょう。
- 送信元のアドレス: 公式のLINEアドレスと一致しているかを確認する
- URL: 記載されているURLが正しいかどうかを確認する
- 文面: 不自然な日本語や誤字脱字がないかを確認する
こうしたメッセージに対して、LINEのログイン情報を入力することは絶対しないでください。
4-4. 公共のWi-Fi環境でログインしない
公共のWi-Fi環境は、ハッカーにとって格好の攻撃対象となります。これらの環境でLINEにログインすると、アカウント情報が盗み出されるリスクが高まります。
また、公共のWi-Fiに似せた環境をハッカーが用意して接続させる、なりすましWi-Fiなどもありますので、安易にWi-Fi接続してログイン情報を入力するのは非常に危険なことです。
一番大切なことは、「知らないWi-Fi環境下では不用意にログインしないこと」です。
なりすましWi-Fi関連サイト:なりすましWi-Fi(外部サイト)
4-5. 不要な管理者は削除する
企業LINEなどの場合では、複数ユーザーで管理されている事もあることと思いますが、管理者が増えれば増えるほどログインされやすくなるリスクは増えていきます。
そこで、登録されている管理者を確認していただき、不要な管理者などは削除するなどの対応をおこなうようにしましょう。
関連サイトURL:LINE公式の権限変更や削除方法(外部サイト)
4-6. 定期的にウイルスチェック
マルウエア感染では、パソコン内に侵入してパスワードなどの個人情報漏洩があります。
侵入されてしまいますと、LINE公式アカウントだけでなく、あらゆるログイン情報が漏洩される危険性があります。
そこで、定期的にパソコンのウイルスチェックなどの対策をおこなうようにしましょう。
Windows環境でウイルスチェックソフトを購入していない場合でも安心してください。
Windowsには標準機能でウイルス対策機能が付いています。
- スタート
- Windowsセキュリティ
- ウイルスを脅威の防止
- クイックスキャン、または今すぐスキャン
この方法でパソコン内のスキャンをおこなってくれます。今までスキャンをおこなっていない時には「フルスキャン」がおすすめです。
参考サイト:FUJITSUサポート(外部サイト)
4-7. 定期的なパスワード変更とセキュリティ対策の徹底
パスワードは、定期的に変更することが重要です。
今までログインされていないから大丈夫!ということではなく、いつ不正ログインされるか分かりません。
ディープラスでは、Webサイトの定期保守作業をしていますが、第三者からの不正アクセスは数多く見てきました。
特にログイン画面で第三者がログインしようとする動きは多いです。
セキュリティ対策に関する最新の情報を入手し、常に最新の対策を講じるようにしましょう。
5. LINE公式アカウントの運用が不安な方へ
ディープラスでは、新規サイト制作やリニューアルだけでなく、サイト保守に関することや、セキュリティ強化対策、出張訪問サポートもおこなっています。
- 既存のWebサイトで集客アップを目指したい
- Googleビジネスを活用していきたい
- LINE公式で登録者を増やしたい
- セキュリティ対策を施したい
どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にお問い合わせください。
この記事を書いた人
遠藤 晃太(えんどう こうた)
山梨県を拠点としているディープラスの代表、遠藤です。
Webに興味を持ち、制作技術や集客方法を習得。これまで大手サイト制作などの経験あります。
サイトから集客獲得して副業から本業に変更した事業者様やスタッフ増員された事業者様がいます。
・2012年8月、ディープラス立ち上げ
・「渋谷 美容室」「(地域名)動物病院 」など、Google検索で10位以内にランクイン
・趣味はスノーボードや車中泊
サイト訪問者にとって最善のご提案をします。
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